借金を整理した方に聞き取りをして、台詞などは読みやすいようにこちらで作りました。
フィクション・ノンフィクションの中間だと思って読んで下さい。
依頼者の状況
トラック運転手乙野乙郎は、20年ほど前に大手サラ金会社から借金し、その後、借金の返済のために、複数のサラ金会社からそれぞれ30万円から50万円の債務を負うに至っており、総額約300万円の返済に追われている。
- 第1話 面談
甲弁護士:はじめまして。弁護士の甲です。よろしくお願いいたします。
乙野氏:よろしくお願いします。毎月毎月少しずつ借金を返してきましたが、全然元金が減りません。もうこれ以上気力がなくなってしまいました。女房にも迷惑ばかりかけているし……。子供たちの学費も払えないし、家賃も少しずつ滞納し始めているし、はっきりいって限界です。正直、毎日死にたい気持です……。
甲弁護士:乙野さん、大丈夫です。死ぬなんて言わないでください。一緒に解決策をみつけていきましょう。はじめに、お手数をおかけしますが、こちらの相談票をわかる範囲で結構ですので埋めていただけますか。
乙野氏:わかりました。(記入する)
甲弁護士:ありがとうございます。拝見いたします。なるほど、現在40歳で、奥さんと2人のお子さんとお住まいなのですね。ご自宅は賃貸ですか。
乙野氏:そうです。
甲弁護士:お仕事はトラック運転手ですね。自営ですか。勤めですか。
乙野氏:勤めです。
甲弁護士:いつ頃からお勤めですか。
乙野氏:今勤めている会社には15、6年前からです。
甲弁護士:給料はどれくらいでしょうか。
乙野氏:今は手取りで30万円から35万円といつたところでしょうか。
甲弁護士:わかりました。それでは、債務状況を確認していきます。まず、借り入れを始めたのはいつ頃からですか。
乙野氏:そうですね。最初に借金をしたのは20年くらい前からですが、返済が滞ったり、利息だけの返済でごまかすようになったのはここ10年くらいですね。
甲弁護士:借入れを始めたきっかけは何でしたか。
乙野氏:最初は、遊ぶ金というか、ちょっと実入りが少なかった時とかに用立てるためという感じでしたが、ここ10年くらいはもっぱら生活のためという感じです。収入も減って、それなのに子供の学校やら何やらの費用が大変で……。
甲弁護士:これは破産を申し立てる場合に重要な点なので、ぜひ本当のことを教えてほしいのですが、ギャンブルや風俗にはまっていたり、海外旅行やブランド物などに浪費したりしていませんか
乙野氏:そういうものには使っていません。生活費とちょっとした遊ぶ金ばかりです。
甲弁護士:わかりました。借入先はこちらにお書きいただいたところですべてですか。
乙野氏:多分あっていると思いますが、正確なところはわかりません。サラ金の有名どころは大体全部という感じです。
甲弁護士:わかりました。ヤミ金や高利貸しはありませんか。
乙野氏:ありません。さすがにその勇気はありませんでした。すべて大手のサラ金です。
甲弁護士:総額でいくらくらいでしょうか。
乙野氏:正直正確にはわかりません。完全に自転車操業で、給料から利息だけを返して、足りなくなったら新しく借入れをして、すべての会社のカードが限度額になったら新しいところでカードをつくってまた借りて、そういった感じでやってきたので正確な額はわかりませんが、相談票に言己載した8社から30万から50万円くらいを借りているので、300万円前後だと思います。実はもう新しいカードをつくるあてがなくて……。明後日にはA社とP社の支払日がくるんです。どうすればよいのか……。
甲弁護士:わかりました。確かに月の給料が35万円弱で、総額300万円の借入れは大変ですね。実は私も学生時代は多重債務に苦しんでいたんです。ですから、支払日が迫ってくると追い詰められるように感じる気持もよくわかります。
乙野氏:これからどうしたらよいでしょうか。
甲弁護士:まず、全社に対して私が代理人になりましたという書面を送ります。これを介入通知とか受任通知とかいうのですが、これを送れば、基本的に請求は止まります。
乙野氏:請求が止まるんですか!?
甲弁護士:はい。大手のサラ金会社からの請求は確実に止まります。
乙野氏:ただ、請求はなくても支払いはしたほうがいいですよね。
甲弁護士:いや、これからは私が窓口となって、個別に減額の交渉をすることになりますので、乙野さんは一切支払いもしないでください。また、これから破産を申し立てるのであれば、これ以上の支払いは法律上望ましくありません。
乙野氏:でも、弁護士さんに交渉をお願いするとブラックリストに載ってしまうのですよね……。そうすると会社をクビになってしまったりするという噂を聞きましたが……。
甲弁護士:確かに、いわゆるプラックリストには載ることになります。ただ、それはあくまでサラ金などが加盟する業界団体の内部情報として登録されるだけで、お勤めの会社に通知がいくわけではありません。
乙野氏:そうなんですか。会社に知られずに済むのですか。
甲弁護士:破産するとなれば、破産の事実は官報という国が配布する機関誌に載るので、知ろうと思えば知ることができますから、会社の人に知られる可能性が全くないとはいえません。けれども、とりあえず介入通知を送るだけであれば、会社に知られずに進めることはできると思います。まずは介入通知を送って請求を止めましょう。
乙野氏:デメリットは全くないのでしょうか……。
甲弁護士:新たに借入れをすることは難しくなると思いますが、それ以外に大きな問題は生じません。乙野さんの場合は、しっかりと毎月のお給料がありますから、借金の支払いを止めれば生活をすることはできるのですよね。
乙野氏:はい。月々の返済がなくなれば、生活は十分できると思います。
甲弁護士:そうであれば、大きなリスクはありません。安心してください。
乙野氏:ありがとうございます。とりあえず請求が止まるのであればとても助かります。そうしてください。ちなみに破産を申し立てるとして、先生への費用はいくらくらいになるのでしょうか。
甲弁護士:費用の話は総額を把握してからご相談させてください。まずは介入通知をすべての借入先に送りましょう。その際に、乙野さんのこれまでのすべての取引を開示してもらうことにします。
乙野さんは、「過払金」という言葉はご存知ですか。
乙野氏:はい。CMとかで聞いたことはあります。ただ、自分が借り入れていたのはすべて大手なので、自分にはあまり関係ないと思っていました。
甲弁護士:大手のサラ金も同じなんです。サラ金は法律で定められた以上の利息をとっていました。法律よりも多く支払っていた分は、取り戻すことができるんです。これが過払金です。乙野さんは、長い問真面目に返済を続けていたとのことですから、もしかしたら過払金があるかもしれません。そうすると、今ある借金がある程度減額できたり、ゼロになったり、場合によってはむしろ返してもらえるかもしれません。
乙野氏:借金がゼロになるかもしれないんですか!?
甲弁護士:確定的なことは、取引履歴をみないと何ともいえません。ただ、ある程度は過払金があるかもしれませんね。ですので、まずは取引履歴を開示して、過払金の額を算定して、それから破産にするかどうか、方針を決めましょう。弁護士費用は、その段階でご相談できればと思います。
乙野氏:ありがとうございます。手持ちのお金もほとんどないので、とても助かります。
甲弁護士:いえ。それでは、まず、今日、自宅に戻られたら、先ほど教えていただいた借入先に漏れがないか確認してください。漏れがあれば、私の名刺のメールアドレス宛てに、会社名を送ってください。とりあえずベタ打ちでかまいません。すべての借入先に、今日中に介入通知を送っておきます。また、こちらは今日中でなくてもいいのですが、私宛てに、ご自宅にある請求書などをそのまま送ってください。
乙野氏:わかりました。
甲弁護士:あと、仮に過去に返済を終えて、それ以上借入れをしなくなった会社があれば、その会社も教えてください。
乙野氏:わかりました。記憶が薄れているところもありますが、大体のサラ金の資料は家にあると思いますので探して送るようにします。
甲弁護士:よろしくお願いします。
1 介入通知の発送(打合せ当日)
乙野氏からお礼とともに、相談票の記載からは2社が漏れていたとの電子メールがきていた。
これで借入先は全部で10社ということになる。
乙野氏の債権者にあたるサラ金会社はすべてインターネットに住所と代表者が掲載されていた。
なければ乙野氏に請求書言己載の住所と代表者を聞かなければならないところだった。
とりあえずこの10社に介入通知を支払日も間近なので速達で送った。
2 引直し計算(10日後)
大体すべての会社の取引履歴が送付されてきた。
送られてこない会社はZ社のみ。
もう少し待って、発送から3週間くらい経過しても送られてこないようであれば内容証明を送ってみる。
引直しをしてみたら、案の定、半分ほどの業者に過払金が発生しそうだ。
しかも、A社とP社はそれぞれ200万円を超える。
これは破産の申立てをしなくて済みそうだ。
※これはストーリーにしたため事実でない部分が含まれます。また、実際には面談ではなく電話のやり取りも多用されます。対応は弁護士ではなく事務所の相談員の方がされる場合が多い様です。
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